「開港のひろば」第131号 |2016(平成28)年2月3日発行
- 企画展 日独修好150年の歴史 ―幕末・明治のプロイセンと日本・横浜
- 企画展 ドイツと日本の交流の足跡 ―遺された資料から― 海外で刊行された新聞の挿絵
- 企画展 ドイツと日本の交流の足跡 ―遺された資料から― 使節団が持ち帰ったもの
- 企画展 ドイツと日本の交流の足跡 ―遺された資料から― シーボルト関係資料
- 展示余話 三分小学校における音楽教育の展開 ―「六浦荘村立三分小学校沿革誌」にみる―
- 展示余話 三分小学校における音楽教育の展開 ―「六浦荘(むつうらのしょう)村立三分(さんぶん)小学校沿革誌」にみる― 六浦不二による音楽教育
- 展示余話 三分小学校における音楽教育の展開 ―「六浦荘(むつうらのしょう)村立三分(さんぶん)小学校沿革誌」にみる― その後の音楽教育
- 資料よもやま話 横浜海岸教会所蔵資料の公開にあたって 横浜海岸教会の歴史
- 資料よもやま話 横浜海岸教会所蔵資料の公開にあたって 横浜海岸教会所蔵資料の概要
- 資料よもやま話 横浜海岸教会所蔵資料の公開にあたって
- 資料よもやま話 横浜海岸教会所蔵資料の公開にあたって 教会資料の保存と活用
- 特別資料コーナー 横浜海岸教会所蔵資料から 初代牧師、稲垣信(いながき まこと)関係資料
- 資料館だより ▼企画展
企画展
ドイツと日本の交流の足跡
―遺された資料から―
使節団が持ち帰ったもの
使節団は、幕府からの公式の贈り物に加えて、多くの日本の土産物を本国に持ち帰った。プロイセン使節団の日本遠征記録である『オイレンブルク日本遠征記』には日本の文物に関する記述が多く見られるが、ベルリン国立図書館には使節団が持ち帰った源氏物語の写本(③)が所蔵されている。今回の展示開催にあたっては同図書館からこの写本を出品いただいたが、同館の「受け入れ簿」には、写本が1878年に使節団随行員の地理学者リヒトホーフェンから購入されたとある。
ベルリン国立図書館蔵©bpk/Staatsbibliothek zu Berlin/ distributed by AMF
写本は全部で54冊あり、表紙の見返しには金銀箔を散らしている。各冊とも奥書や識語の類はなく、筆者も一人ではない。巻を越えた錯簡も激しく現状では通読できないが、同資料はヨーロッパにもたらされた最初の源氏物語の完本といわれている。同館には、このほか外国奉行配下の通詞をつとめた福地源一郎がオランダ語で記した源氏物語と紫式部についての説明書も所蔵され、プロイセン使節団が日本文化のドイツでの紹介に大きな役割を果たしたことを伝えている。
一方、日本には使節団が持参した国王から将軍に宛てた贈り物が残された。展示では公益財団法人德川記念財団が所蔵するリトファニー・プレート(陶磁器製の透かし絵)を出品したが、これはプロイセン王立磁器製作所が制作したもので、白磁板に複雑な凹凸が刻まれ、背面を光源にかざすことで鑑賞できる美術品である。