横浜市開港記念館

 バンクーバーはカナダ西海岸のブリティッシュ・コロンビア州に位置し、人口約56万を擁するカナダ第3の都市です。1965年、横浜とバンクーバーは歴史的な類似面をもつこと、比較的早くに航路で結ばれたことなどから、姉妹都市関係を結びました。

  1858年、横浜では日米修好通商条約がむすばれ、翌年の開港が決定します。この年、太平洋の対岸カナダでは、フレイザー川での金鉱発見によるゴールド・ラッシュが起こり、バンクーバー発祥の契機となります。

  1870年、現在のバンクーバー市の中心に、グランビルという小さな町が設置されました。この町がバンクーバー市として大変貌をとげたきっかけは、大陸横断鉄道の開通です。1886年、カナダの東西海岸を結ぶカナディアン・パシフィック鉄道が開通するとともに、この年、市制が施行されます。

  翌1887年、バンクーバー・香港間に太平洋航路が開設されます。これにより、バンクーバーは国際航路と大陸横断鉄道が交差する「ターミナル・シティ」として急成長していくとともに、太平洋を越えて横浜と結ばれました。

  横浜では開港以来、港都の繁栄にひかれて諸外国や国内各地から多くの人々が集まります。市制が施行された1889年までの30年間に、100戸あまりの村から人口12万の大都市に成長します。
横浜とバンクーバーはともに19世紀の中頃に誕生の契機を迎え、1880年代後半に前後して市制が施行されました。またそれぞれの国の代表的港都として発展するなど、歴史的な類似面を有しています。

  類似面のある一方で、多くの相違点もあります。たとえば人口では、1891年当時、横浜は約13万人、バンクーバーは約1万4千人と大きく異なります。このほか、面積や人口密度、住民の民族構成、開発主体など、都市の歴史を考える上で重要な相違点があります。

  今年、両市が姉妹都市提携40周年を迎えたのを記念し、太平洋航路、移民、チャイナタウンなどの問題を中心に、二つの都市の歩みを紹介する展示を企画しました。この展示を通し、姉妹都市バンクーバーを身近に感じていただくとともに、他都市との比較によって、横浜の歴史と特色について考える機会となれば幸いです。

(伊藤泉美)